So-net無料ブログ作成
検索選択

ここでの“ボンサイ”とは「盆栽」と「凡才」との二つの意味を含みます。盆栽のように、マシンをカスタマイズすること自体を楽しんでいる凡才人のブログです。

標高3,776m [旅日記]

先週、8月4日から5日にかけて富士山に登ってきた。
00.JPG
言わずと知れた、日本の最高峰。
日本全国47都道府県の一番高い山を登って回ることを目指してるわたしとしても、いずれ登りに行こうと思っていた山…といいたいところだけど、実はそうでもなかった。
ずいぶん前に山梨を訪れた際、吉田ルートの登山口まで下見に来たことがあったのだが、殺風景な登山道が多くの登山客で大混雑している光景に、賽の河原をさまよう亡者の群れを見たような気がして登る意欲が失せてしまったのだ。
富士山は登る山ではなく遠くから眺める山、というのがわたしの意識に植え付けられた。

ところが一昨年、小学校時代のクラスメイトがわたしのブログに触発されたのか、一緒に富士山に登ろうと言い出した。
独りだったら登るつもりはなかったけれど、気の合う仲間と思い出を作りに来るなら話は別だ。
山登りの経験がまったくない友人たちなので、もしかしたら登頂は断念することになるかもしれないが、下山して温泉宿で酒を酌み交わすのもまた一興である。
そんなわけで、男女6人、富士山で同窓会を開いてきた。

友人たちは島根県からクルマでやってくる。
未明に出発して午後の遅い時間に合流し、新七合目(六合五勺)で一泊して山頂を目指すというプランである。
この1年半で地元の山を何度か登って経験を積んだとはいえ、山登りとは別の意味でハードな日程のような気もする。
メンバーの体調を見ながら休み休み登ることとして、時間が押してきたらわたしが引き際を判断しなければならない。
2日目の12時までに山頂に着かないようなペースなら、登頂はあきらめると心に決めた。

1日目、わたしは8時過ぎに家を出て、新東名・新富士ICでワープアウト。
集合場所の水ヶ塚駐車場に直接向かうなら昼過ぎに家を出て御殿場ICで降りるところだが、登山の安全を祈願しに富士山本宮浅間大社に立ち寄ることにした。
01.jpg
いつものように保土ヶ谷バイパスで横浜町田IC付近の渋滞にはまって、富士宮市街に到着したのは12時頃。
浅間大社で6人分のお守りを買ったり、昼食を摂ったり、炎天下で街中をうろうろしていると汗のしずくがしたたり落ちる。
02.jpg
だが、富士山は厚い雲に覆われていて見えない。

道中で白糸の滝を見物しながらぼちぼちとエリーゼを走らせ、富士山スカイラインで標高を上げると、富士山の姿を隠していた雲の中に突っ込んで土砂降りに遭った。
03.jpg
最悪の場合は登山中止も覚悟しながら、13:45ごろに水ヶ塚駐車場に到着。
05.JPG
ここいらは路面が乾いているが、今にも雨が降り出しそうな空である。
窓を開けてクルマの中で昼寝していたら、ぽつぽつと降ったり止んだりを繰り返してた。
待つこと1時間少々、予定通りの15:20に友人たちが到着した。
身支度を調えて16:00発のバスに乗り込むと再び雨が降り始め、四合目付近でまた土砂降りに遭遇した。
07.JPG
16:30すぎにバスを降りたころには止んでいたが、念のために雨合羽を着込んで16:50ごろに登山口を出発。
08.JPG
登り始めると視界は10m程度の霧の中。
09.JPG
先日の宝永山でも通った場所だが、いきなり標高2400mに来て歩き始めると息が切れる坂道だ。
合羽の中が蒸れて暑い。
17:10ごろに六合目、雲海荘に到着。
10.JPG
出だしはまずまずのペースかと思われたが、六合目を出ると急にペースが落ち始めた。
新七合目までの道中の半分まで来たところで18:00、標準コースタイムなら新七合目に到着しているころだ。
11.JPG
雲が切れてトワイライトな景色にうっとりするも、あまりのんびりしていては山小屋での夕飯の時間に間に合わない。
しかも、わたしがスマホにダウンロードした国土地理院の地形図では新七合目が「六合五勺」と書かれていたので、泊まる予定の山小屋がまだまだ先のように感じて絶望的な焦りも感じ始めていた。
12.JPG
ややピッチを上げて「六合五勺」に到着したのは18:40ごろ。
わたしはまだ登らなければならないと思い込んでいたから、休憩もソコソコに歩き始めようとした矢先、ここが宿泊を予定していた山小屋だと知らされた。
ほっと一安心である。
でも、夕飯の時間は19:00だ。
急いで荷物を寝床に押し込んで食卓に着くと、山小屋定番のカレーライス。
13.jpg
なんでも、つい先日にテレビ番組で紹介されたらしくて、ここのカレーは3日間煮込んで作られるのだそうな。
スパイシーさは万人向けだが、野菜がとろけてまろやかだ。

食後は荷物を整理して20:00に床に就くも、深夜に出入りする人が多く、騒がしくて寝た気がしなかった。
ガサガサと荷物を出し入れする音やドスドスと廊下を行き来する音が耳について眠りが浅く、翌朝の体調が心配になるほどだった。
わたしたちが登ったのは平日だったが、週末だったらさらに人が多くて、もっとひどいことになるのだろうか。

翌朝は4:30過ぎに山小屋を出て山頂を目指した。
麓を見下ろせば、富士宮の街明かりが見える。
14.jpg
東の空は明るくなり始めたころ。
15.jpg
いい天気になりそうだ。
徐々に明るくなる空と下界の景色にしばしうっとり。
16.JPG
周りに山がない風景を3000m近い高さから見下ろすのは生まれて初めての経験だ。
17-1.jpg
登って来て良かった〜

5:30に標高3000mに到達。
17.JPG
自分の足で登って3000mを越えるのは立山以来。
元祖七合目が近づいてくると、ゴツゴツとした足場になってきた。
18.JPG
元祖七合目に到着。
19.JPG
山頂が見えないので、持ってきたアポロチョコで補正。
20-1.jpg

登山道にうち捨てられたトレッキングポール。
20.JPG
折れて使い物にならなくなったからといって捨てていくバカがいるからメジャーな山に登ると気持ちがすさんでくる。

7:00ごろ、八合目に到着。
21.JPG
まだ7時だというのに、空気が薄くて日差しが強いから、すでに10時を過ぎているような錯覚さえ覚える。
朝早くから活動しているというのもあるかな。

下界を見下ろせば駿河湾の海岸線がくっきり。
22.JPG
東の方には伊豆や箱根の山々が見えて、大涌谷から湯気が上がっているのも見える。
23.JPG

8:20ごろ、九合目に到着。
24.JPG
ここで、持ってきた酸素缶の効果を試してみた。
高山病対策として期待したわけではなく、ちょっと試してみたくて持ってきた酸素缶。
普通に歩いてるだけなら効果のほどが実感できないと思って、九合目の100mほど手前で仲間たちを置き去りにしてダッシュで石段を登ってみた。
25.JPG
60mぐらい走ったところで脚の筋肉が「もう走れない〜」と悲鳴を上げてもまわず走り、フラフラと九合目の山小屋にたどり着いたところで、酸素吸入。
肺の容積をめいっぱい使って呼吸をしていたのが、酸素を吸入してふた呼吸程度で落ち着いた。
脚がしびれて重く感じていたのも解消した。
酸素缶パワー、なかなかのものである。

九合目の山小屋は万年雪山荘と名付けられているように、見上げると雪渓が見られる。
26.JPG
小屋の作りもがっしりしていて、建屋の外にも斜めの柱が据えられて屋根を支えている。
27.JPG
ここで長めの休憩を取り、わたしはカレーうどんでエネルギー充填。
9:00に九合目を出発した。
28.JPG
標準コースタイムよりはずいぶん遅いが、まずまずのペース。
12時登頂までは余裕のある行程に思えたが、ここからペースが急速にダウンした。
九合五勺に到着したのは9:50。
29.JPG
ここまでは脚の遅いメンバーを待ちながら登ってきたが、ここから山頂まではおのおののペースで登ることにした。
九合五勺を過ぎると、ときおり霧に包まれて小雨を降らせる。
30.JPG
11:00ごろ、最後の岩場をよじ登る。
32.JPG
そしてついに、富士山浅間大社の奥宮に到着。
33.JPG
ついにキター!
山頂からの景色はどうか…
34.JPG
残念ながら、雲の中。
まあ、こんなもんだよね。
持ってきた携帯食の袋は気圧の変化でパンパン。
35.jpg
そしてプッチンプリン。
36.jpg

ぷっちーん!
37.jpg
Facebookのグループメッセージで富士登山の計画を話していたころ、プッチンプリンを富士山に見立てて、ご来光をサクランボで表現するってハナシが挙がったのだ。
それを一人の旧友が絵に書いて、ほかの一人がアップリケにして耳当てに縫い付けて持ってきてくれた。
さすがに耳当てが必要になる寒さだったら山登りは断念しなければならないけれど、おもしろいアイデアなのでリュックにくくりつけて登ってきた。

仲間内でワイワイやっていると、見知らぬおじさんが写真撮影を手伝ってくれと声をかけてきた。
カメラのシャッターを押すだけかと思ったら、なぜか3人ぐらい手伝ってくれと言う。
なんと、700回登頂記念の横断幕。
38.JPG
60歳台のこの方は、1973年に初めて富士山に登ってから、生涯で700回目の登頂をこのとき果たしたのだとか。
「富士山に登らないバカ、二度登るバカ」
富士山には一生に一度は登るべきだが、二度も登るほど魅力のある山じゃない、という皮肉をこめた、ある山男の格言だけど、700回も登ったとなれば尊敬に値する。

遅れて到着する仲間を待って12:00すぎ、奥宮の裏手へ回って、お鉢を見渡す。
39.jpg
でっかい賽銭箱だ。
ブラタモリでやってたのだけど、富士山の火口は浅間大社の賽銭箱で、昔は火口にお金を投げ入れていたのだとか。
で、火口の底は八合目のと同じ標高にあることから、八合目から上は浅間大社のものなのだそうだ。

荒々しい火口の様子を横目に富士山の一番高い峰、剣ヶ峰へ向かう。
40.JPG
数分ごとに霧が立ちこめたり、青空が広がったりと、忙しい空である。

日本で一番高い、剣ヶ峰に到着。
41.JPG
いやー、岩と砂利の道を淡々と登るのは山登りとしては退屈な道程だけど、この達成感はひと味違うねぃ。
42.JPG

13:00すぎに下山を開始し、暗くなる前には下りきれるかと思ったが、思いの外時間がかかり、シャトルバスに乗ったのは19:30だった。
43.jpg
水ヶ塚駐車場に戻って、荷物を積み込み、沼津まで降りてきたのは21:30ごろ。
本来ならばみんなで沼津の海の幸を食べて、ゆっくり温泉に浸かる予定だったのだけど、そんな余裕はなくなってしまった。
ファミレスで簡単に腹を満たし、温泉で汗を流したあとは、もうぐったり。
それでも部屋で缶ビール片手にだべって、気がつけば深夜2時。
布団に入ったら一瞬で眠りに落ちた。

宿は伊豆長岡の温泉ホテルだった。
太ももが筋肉痛でつらいけれど、翌朝は8時に起きて、宿の近くの伊豆の国パノラマパークに立ち寄って、お土産タイム。
44.jpg
葛城山に登るロープウェイの山麓駅を兼ねた施設で、伊豆の特産品を使ったお土産品が並んでいる。

ここで、天城名産のわさびを使ったわさびソフトにチャレンジ。
45.jpg
コクのあるバニラアイスにわさびのトッピング。
わさびだけをなめるとさすがに鼻にツーンとくるが、アイスと食べるとツーンとこない。
何かのテレビ番組でやっていたが、冷たいとツーン成分が揮発しないのだとか。
わさびのぴりっとした刺激のおかげで、引き締まった味になって、なかなか美味かった。

ここで旧友とは別れて、伊豆スカとターンパイクを経由して帰路についた。
久しぶりに会った友人たちと楽しく過ごせて、富士登頂も達成できて、実に満足。


さて、つぎは東日本の最高峰でもあるいてみるか。
nice!(15)  コメント(9)  トラックバック(0) 
共通テーマ:自動車

nice! 15

コメント 9

やなぼー

私も、遠くから見る山だと思ってるので・・・
おそらく登ることはないだろうな~f^_^;)
クネクネ道を上って行く山は、大好きなんだけどね~
車でだけど・・・(爆)
by やなぼー (2016-08-15 06:46) 

わたべ

富士登山は、ちょっと鍛えてからでないと無理っぽいです。
登りの詳細なレポに比して下りはアレッて感じですね。
これも富士登山だからかな。
by わたべ (2016-08-15 22:08) 

nozzy

1シーズンに延べ10万人が訪れる富士山ですが、富士山に登ったことがある日本人は2割程度とか。
わたしもこんな機会がなければずっと8割のうちの一人でしたが、登ってみると、一度は登るべきだというのも頷けます。

by nozzy (2016-08-15 22:16) 

nozzy

>わたべさん
わたしたち6人のうちの一人もほとんど運動しない人でしたが、地道に歩けば何とか登れるものです。
下りはホントに、来た道を淡々と下るだけですのでたいしたネタにはならないんです。
山登りはたいていそうなんですよね。
by nozzy (2016-08-15 22:21) 

あおたけ

富士登山同窓会、登頂達成おめでとうございます!
同じ志を持つ方が同級生に男女6人もいらっしゃるなんて、
ステキですね〜(^^)
頂上でぷっちーん!
プッチンプリンとさくらんぼを
富士山とご来光に見立てる発想が面白いです。
耳当てのアップリケは、
今後もこのメンバーのトレードマークになりそうですね♪

「富士山に登らないバカ、二度登るバカ」・・・か、
やっぱり日本人として一生に一度は、
登るべきなのかも知れませんね。。。(^^)

by あおたけ (2016-08-18 18:59) 

響

わたしも富士山は眺めるものと思っていましたが
夜明けの風景は感動しますね。
by (2016-08-18 20:37) 

nozzy

>あおたけさん
ありがとうございます。
なんか話が広がって、いつの間にか6人になってました。
アップリケのおかげで天気のいい日に登れました。
山頂からのご来光も見られたら最高だったのですが、メンバーのペースを考えてムリはしませんでした。
ぜひ一度登ってみてください。いい経験にはなると思います。

>響さん
こんな風景を眺められる山はなかなかないですね。
裾野が海まで広がっている富士山ならではです。
火山の噴火口は阿蘇でも見られずじまいだったので、いい経験になりました。
by nozzy (2016-08-19 20:51) 

よっすぃ〜と

車で五合目まで行ったことしかありません(^^;
やはり、遠くから眺めている方が好きなので、一生登ことは無いだろうな~
by よっすぃ〜と (2016-08-20 18:38) 

nozzy

天気が良ければ五合目から宝永山までのトレッキングでもいい景色が見られますよ。
バイクでくねくね道を駆け上がって、その足で登れるぐらいの手軽な道のりです。プロテクターばりばりの重装備でなければ…
by nozzy (2016-08-23 22:02) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0